ALPS MD-2000Jの予備としてMac専用プリンタの ALPS MD-2010S を所有しています。
動作確認できたのは以下の通りです。
(1)旧Mac OS(Mac OS8.1 8.6 9.2.2で確認)+SCSIカード
PowerMacintosh 9600(SCSIポート内蔵)
PowerMacintosh G3、G4 (SCSIカード)
※Classic環境では認識せず、動作不可。
(2)PC上のBasiliskⅡ(on Windows 2000+SCSIカード)
(現在この環境はありません)
※Mac OS X上のBasiliskⅡはSCSIが機能せず、動作不可。
※SheepShaverはSCSI機能無し。
USB-SCSI変換ケーブルはその機構上、一般にプリンタでは動作不可(らしい)。
ネットワークには、専用RIP(Micro Dry RIP 1.0)以外では非対応。
結局、Macintosh 専用のプリンタである「ALPS MD-XXXXS シリーズは、(正にメーカーの仕様通り)旧Mac OSから起動可能なSCSIポートを搭載した単独のMacintoshでしか使えない」ということです。つまり、過去のOS、過去の機種、過去のアプリケーションでしか使えないということになってしまいます。そして、当然の結果として、ネットオークションでは、ALPS MD-XXXXSシリーズ は不人気になっています。
2008/10/05
ALPS MD-2010Sについて
2008/09/26
マイクロドライプリンタの適正用紙の憂鬱
マイクロドライプリンタは金属性の印字ヘッドをインクリボンに押し付け、ヘッドが出す熱によってインクを溶かし、圧力を加えながらインクを用紙表面に転写する。
また、インクリボンを他のもの(指や棒など)で物理的に用紙に押し付けてこすったり、インクリボンを用紙表面にこすれるように動かしたりてもインクは付着する。オフセット印刷やインクジェット用のマットコート紙などのインクの乗りが良くなるように造られた用紙には顕著です。
つまり、データに必要な熱と圧力によって転写されるべきインク以外に、ヘッドの圧力や摩擦などによって不要なインクが付着する、という現象が見られることがあります(カラーレーザープリンタにも、トナーが用紙表面のデータのない領域に静電気力によって僅かに散りばめらて付着する現象がある)。これは、肉眼では、データのない場所で、かすかなインクリボン幅の縞模様や擦れたような筋があることなどでわかります。マイクロスコープで覗くと、ごく小さな変形した粒子が帯状に散りばめられているのが判ります。
インクの乗りが良いものを選びたいのではあるが、不要なインクも乗せてしまうという不可避なジレンマ・・・試し刷りしかないのだが・・・。一般には、平滑な上質紙が宜しいようです。
古い消費期限の切れたインクリボンは表面がボコボコしてきて、それが用紙との不要な摩擦の原因にもなるので、そうなったら新しいものに交換すべきです。
マイクロドライプリンタのPS化 ~ プリンタプロファイルの解析と活用 (2)
前回に続いて、ALPS マイクロドライプリンタ用ICCプロファイルを解析します。下の表は、旧Mac OSのMac OS 9.2.2(やMac OS XのClassic環境用)プリンタドライバver.6.4.6 に組み込まれるColorSync用ICCプロファイルの一覧(旧ブログより)です。
|
(*1)MD-1300用 (*2)MD-2300S用 (*3)MD-5000P用 (*4)MD-5500P用 (*5)MD-1000 MD-1300 MD-1500用 (*6)光沢仕上げインク使用 |
※MDP Monitor-D50は色温度5000Kのモニタ用ICCファイルですが,特に必要はありません。モニタの色温度を5000K~6500K程度にキャリブレーションしたモニタのICCプロファイルがあれば十分です。
判りやすいように、ICCプロファイルとWindows2000/XP用ドライバVer.2.3.2 で明示される印刷モード,解像度,ハーフトーン(線数),用紙の種類とを対応させています。(ただし、この対応は当方が所有する ALPS MD-2010S及びMD-5500のOS(Windows XP、Mac OS 9.2.2)用ドライバの機能から比較推定したものであることをお断りしておきます。)
これらのプロファイルはプリンタドライバをインストール時にMac OS 9.2.2では、「システムフォルダ/ColorSyncプロファイル」にコピーされます。そして、プリント時に、カラーマッチングをColorSyncにした場合に、自動的にプリンタに割り当てられます。ALPSはColorSync以外のカラーマッチングにプロファイルを使うことは保証していません。
前回の Mac OS X ColorSync用ICCプロファイル との対応はファイル名を見れば明らかです。どちらのICCファイルとも、Mac OS X 付属のColorSyncユーティリティで調べる限り、同じものであると思います。これらを Mac OS X のフォルダ「ライブラリ/ColorSync/Profiles/」にコピーしておけば、Adobe IllustratorやPhotoshop等のアプリケーションから使用可能になります(Mac OS Xによるカラーマッチング(ColorSync)には使えません)。
最も使用頻度が高いのは、2400dpi、160lpi用プロファイルの「MDP VDPhoto/Fine」だと思います。マイクロドライプリンタPS化システムにおいてクライアントにな るMac OS X や Windows OS のアプリケーション側のカラーマッチングで十分使えます。
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化
2008/09/23
マイクロドライプリンタのPS化 ~ プリンタプロファイルの解析と活用 (1)
マイクロドライプリンタPS化システムにおいてMacintosh OS(旧Mac OSとMac OS X)用に提供されるプリンタプロファイルを使ってみよう。
というわけで、まずは、Mac OS X 10.4.11(PPC)用のICCプロファイルを解析してみることにします(以前のブログより修正、加筆)。
下の表は、Mac OS X(Mac OS X 10.4.11(PPC))用プリンタドライバver.1.0.2に組み込まれるColorSync用ICCプロファイルの一覧です。
|
(*1)MD-1300用 (*2)MD-5000P用 (*3)MD-5500P用 (*4)光沢仕上げインク使用 |
これらは、ドライバのインストール時に、「ライブラリ/Printers/ALPS/MicrDryPM.plugin/Contents/Resouces」にコピーされます。そして、プリント時に「プリント」ダイアログの「カラー設定」で「カラーマッチング:ColorSync」とした場合に、その他の「カラー設定」や「メディア設定」等に対応したプロファイルが自動的にプリンタに割り当てられます(出力解像度や線数などは明示されない)。
判りやすいように、12種類のICCプロファイルと Windows2000/XP用ドライバVer.2.3.2 で明示される印刷モード,解像度,ハーフトーン(線数),用紙の種類とを対応させています。(ただし、この対応は当方が所有する ALPS MD-5500 のOS(Windows XP、Mac OS X 10.4.11(PPC)、Mac OS 9.2.2)用 ドライバの機能から比較推定したものであることをお断りしておきます。)
通常の使用では、ユーザーがICCプロファイルを見ることはないが、Adobe Illustrator や Photoshop 等のアプリケーションを通して(プリントスペースのプロファイルのプルダウンメニュー)見ることができます。ただし、ICCプロファイルはColorSync用であり、ここでプロファイルを指定することはありません(カラーマッチングでColorSyncを指定する場合、一般に、プリンタ独自のプロファイルは指定してはならない)。したがって、ALPSは、プリントスペースでALPSのプリンタプロファイルを指定することは想定外であり、保証していません。
上表を作成するにあたり,改めて各OS用ドライバの印刷機能を調べていく中で気付いたことがあります。Mac OS Xでは印刷解像度や 線数はユーザーからは見えなくなっていることに加えて、VDフォトカラー印刷では,Mac OS9やWindows用プリンタドライバでいう 解像度2400dpi、出力線数(ハーフトーン)160lpi の印刷は印刷本紙のみの対応であるということです。メディア設定で普通(コピー)紙や平滑紙を選んだ場合、自動的に2400dpi、145lpiに固定され、それしか(MFインクを使っても)出力しないということです(160lpiで出力するには、メディア設定で「印刷本紙」を選ぶしかない)。これはWindows2000/XPで160lpiや145lpi印刷したものと比べた結果です。マニュアルにもALPSのWebにもこの辺の記述がないようです。間違いがあればご指摘お願いします。
このように、印刷本紙以外(ハイグレードペーパーや一般の平滑な上質紙)に対応した「160lpi印刷用ICCプロファイル」が存在しないことが、マイクロドライプリンタPS化システムのWindows用ドライバが主流(?)とする160lpi印刷にとって不都合となってきます(印刷結果の明らかな違いを気すればだが)。
その対応も含めて、次回(マイクロドライプリンタのPS化 ~ プリンタプロファイルの解析と活用 (2))へ続く・・
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化
2008/09/05
マイクロドライプリンタ御用達(?) 印刷ユーティリティ
マイクロドライプリンタには、他に類をみない「ページ合成」という大変に有効な機能があります。しかし、この機能は、一連のプリンタによる印刷動作の中で、「プリント動作が一担停止し、再度ユーザーに手動によるプリント操作を要求する」という手間のかかる機能でもあります(マイクロドライプリンタユーザには今更の説明ですが ^^;)。ましてや、ページ合成を2、3度使い、且つ50枚印刷などという印刷枚数が多い場面(どんな場面なんだ(笑))では、とてもやってられない。
・・・この一連の操作を一発でやってしまいたい・・・
というわけで、この目的に適う印刷ユーティリティとしては、
「DirctPrn」
「PrnOut」
というフリーウエア(Windows用)があります(Windows2000/XPで動作確認済み)。
これらは、prnファイルを直接プリンタに送って、アプリケーション無しで印刷するというものです(詳しくは付属のドキュメントファイルや関連Webを参照)。prnファイルとは、出力ポートを「FILE:」にしてプリントすると出力されるファイルのことです。デフォルトでは拡張子は付かないが、判別のために拡張子を「prn」(PSファイルのときは「ps」)とすることが多い(?)
マイクロドライプリンタにおいては、例えば、仮にページ合成を1度だけ使って印刷物を作成するとして、そのためのプリント動作が次のように2段階を経るとします。
プリント動作A(「ページ合成」使用)
プリント動作B
(動作Aが終了した後に一端プリンタが停止する。次に、ユーザーが再度アプリケーションを操作して次の動作Bが再開する、ということです。)
そこで、まず、それぞれのプリント操作時にプリンタドライバ内で出力ポートを「FILE:」にして、ファイルとして出力します。その時に、それぞれの出力ファイルに拡張子prnを付けて適当に名前を付けます。
プリント動作 A --> PrintA.prn
プリント動作 B --> PrintB.prn
次に、これら2つのprnファイルを上記のユーティリティ(DirctPrnやPrnOut)に操作順に読み込ませてプログラムを実行します。すると、PrintA.prnの出力に続いて(一瞬?の一端停止があった後)PrintB.prnが出力されます。
一般に、「ページ合成」機能の使用回数が多い場合は、それに応じたprnファイルを追加してやればよいことになります。
他にも、prnファイルを直接プリンタに出力するWindows用ユーティリティには、次のようなものがあります(使用の可否は不明)。
「PRNPrint」(日本語 フリーウエア)
「Batch & Print Pro 3」(英語 シェアウエア free traial版あり)
ラベル: MDプリンタのPS化
2008/08/09
マイクロドライプリンタのPS化 ~ 実践 CMYKデータ (1)
今回は、「マイクロドライプリンタのPS化」システムで、CMYKデータを印刷してみます。
CMYKデータを通常のGDIプリンタで印刷していては、作成者の意図しない結果になる場合があります。CMYKデータはPSプリンタからの出力がベストです。マイクロドライプリンタのインクカセットに巻かれたインクリボンのC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のそれぞれの色合いは、商業印刷におけるCMYKそれぞれの100%の色合いと一致してはいないが、近いものはあります。よって、PSファイルを作成出力可能なアプリケーション(Adobe Illustrator等)でCMYKデータを作り、それをそのままマイクロドライプリンタ用のCMYKインクで再現させることが可能ならデータ作成者の意図が印刷物に反映されることになるでしょう。ALPSは、MD-5500に「マイクロドライリップ」を組合わせたPSプリンタシステムを用意しているが、もはや過去の遺物であり、出力線数にも不満があります。そこで、より繊細な印刷結果(出力線数 160lpi)が得られるこの簡易なPS化システムに利用価値が生まれてくるのではないかと思います。
[データについて]
マイクロドライプリンタに適した印刷物の一つである名刺をAdobe Illustrator 10.0.3 のCMYKモードで作成し、印刷した(作成したデータは、でっち上げたものですので、ご容赦くださいませ)。
カラー領域(ロゴ(AYM)と直下のカラー文字部分(A、Y、M))の色は、Illustrator付属のPANTONEの特色ライブラリーから選び、それらの色をK成分なしのCMY3色で表すようにシュミレートした(*1)。
グレースケール領域(K20%とK100%の文字部分)は、ここでは、出力線数85lpi(スクリーン角度45度)で印刷する(*2)。
[用紙、インクカセット]
用紙:名刺用紙(厚口マット紙)
用紙サイズ:A6(カスタムサイズ)
インクカセット:紙用シアン、紙用マゼンタ、紙用イエロー、紙用ブラック
データ作成から印刷までの手順
1.Illustrtator 10.0.3にて、書類のカラーモードをCMYKカラーで新規作成して、上記([データについて]参照)のようにデータを作成する(この時、フルカラー領域とグレースケール領域を異なるレイヤーに分けておくと便利)。
2.まず最初に、グレースケール領域(ロゴ以外)を「ページ合成」機能を使って印刷し(A)、引き続いて4色カラー領域(ロゴ)を印刷する(B)、という順序をとります。
A.グレースケール領域の印刷
(1) カラー領域を隠(非表示に)し、グレースケール領域のみを表示する。
(2) Windows用プリンタドライバ の「標準の設定」を設定する。
[プリンタとFAX]を開き、「ALPS MD-5500P」アイコンを右クリックしてプロパティを開く。
[詳細設定]タグの[標準の設定]ボタンをクリックする。
[ALPS MD-5500P 標準の設定]ダイアログから、以下のように設定する。
[基本設定]タグ-------------------------------------------
ドキュメント設定:自動
用紙の種類:厚紙
印刷設定:
特色印刷 のチェックをしない。
印刷モード:VDフォトカラー
[詳細設定]ボタンをクリックする。
印刷品質:解像度 2400dpi ハーフトーン 160lpi
MFインク/光沢仕上げオプション:どちらのチェックもはずす。
[OK]ボタンをクリックする。
他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
[用紙]タグ ---------------------------------------------
用紙サイズ:A6 (自由用紙サイズで登録済)
紙送り:ページ合成をチェックする。
他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
[イメージ調整]タグ ----------------------------------------
カラーマッチ:「なし」をチェックする。
他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
[OK」ボタンをクリックしながら[標準の設定]、「ALPS MD-5500P」のプロパティを終了する。
(3) クライアント(Mac OS X)に戻り、Illustrator 10.0.3 の[ファイル]メニューから[プリント]を選び、[プリント]ダイアログから、次のように設定し、[プリント]ボタンをクリックする。
プリンタ:MDPusr-5500P
プリントスペース
プロファイル:カラースペースを変換しない
[プリント]ボタンをクリックする。
(4) しばらくして、サーバー側のデスクトップに「ALPS MD-5500P-Status Monitor」が起動して、印刷が始まり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に印刷される。ページ合成機能を指定しているため、グレースケール領域の印刷終了後、一時的に紙送り停止状態になる。
引き続き、フルカラー領域の印刷に移ります。
B.フルカラー領域の印刷
(1) グレースケール領域を隠し、フルカラー領域のみを表示させる。
(2) Windows用プリンタドライバ の「標準の設定」を設定する。
[プリンタとFAX]を開き、「ALPS MD-5500P」アイコンを右クリックしてプロパティを開く。
[詳細設定]タグの[標準の設定]ボタンをクリックする。
「ALPS MD-5500P 標準の設定」ダイアログから、以下のように設定する。
[基本設定]タグ-------------------------------------------
上記Aの(2)に同じ。
[用紙]タグ ---------------------------------------------
用紙サイズ:A6 (自由用紙サイズで登録済)
紙送り:ページ合成のチェックをはずす。
他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
[イメージ調整]タグ ----------------------------------------
上記Aの(2)と同じ。
[OK」ボタンをクリックしながら[標準の設定]、「ALPS MD-5500P」のプロパティを終了する。
(3) クライアント(Mac OS X)に戻り、Illustrator 10.0.3 の[ファイル]メニューから[プリント]を選び、[プリント]ダイアログから、次のように設定し、[プリント]ボタンをクリックする。
プリンタ:MDPusr-5500P
プリントスペース
プロファイル:カラースペースを変換しない
[プリント]ボタンをクリックする。
ここも、上記Aの(3)と同じである。
(4) しばらくして、サーバー側のデスクトップに「ALPS MD-5500P-Status Monitor」が起動して、印刷が始まり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に印刷される。
(*1)CMYKからなるハーフトーンの印刷において、CMYのそれぞれはそれぞれのインク単独で印刷されるが、Kだけは(K=100を除いて)CMYKの4色で印刷される。そうなると、例えば、C=40、M=Y=0、K=40 のようなデータがあった場合、印刷時この K=40 のために更にCとMとYのインクが入ってくることになる。こういうふうに、データにK成分があることで余分に塗り重ねられるインクがあるためにデータのエッジに余計なギザギザ感が出たり、インク層が更に厚くなったために摩擦でインクが剥がれ易くなったりすることがある。これ等を避けるために4色カラーをCMYの3色以下でシュミレートする試みもマイクロドライプリンタでは有効かもしれない。
(*2)グレースケール(CMY=0、K>0)だけで作ったデータを表示、印刷させると、85lpi、スクリーン角度45度で出力される。よりオフセット印刷ライクで、好ましい結果が得られる場合があります。これに対して、カラー領域とグレースケール領域を混在させて一度にフルカラー印刷すると、グレースケール領域のハーフトーンがCMYKの4色で印刷されてしまう。
今回も「ページ合成」機能を使う必要性から、二段階の印刷過程を経なければならない。このことは、多数枚印刷する名刺では煩わしいものです。これを解決するのに、前回述べたような印刷ユーティリティの使用が有効かもしれない。(つづく)
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化
2008/08/04
マイクロドライプリンタのPS化 ~ 実践 RGBデータの巻 (2)
今回は、「マイクロドライプリンタのPS化」システムに、プリンタ用ICCプロファイルを用いたカラーマッチングを適用してみます(前回はプリンタドライバ独自のカラーマッチングを適用)。
このプリンタプロファイルは、Mac OS X用プリンタドライバVer.1.0.2をインストールする時に自動的にインストールされます。元来はカラーマッチングをColorSyncで行うためのプロファイルだが、今回のようなアプリケーション側からのカラーマッチングにも利用できます。
[データについて]
前回と同じだが、フルカラー領域(背景画像)と特色カラー領域(フラッシュゴールド領域の「迎春」と黒色文字領域の「今年も・・・2008年 元旦」)をそれぞれ異なるレイヤーに配置しておく。
[用紙、インクカセット](前回と同じ)
用紙:印刷本紙((株)PCM竹尾 MDマット)
用紙サイズ:A6(カスタムサイズ)
インクカセット:フラッシュゴールド、紙用シアン、紙用マゼンタ、紙用イエロー、紙用ブラック
データ作成から印刷までの手順
1.Illustrtator で、書類のカラーモードをRGBカラーにして新規作成し、上記([データについて])のRGBデータを作成する。
2.まず最初に、フルカラー領域を「ページ合成」機能を使って印刷させ(A)、引き続いて特色カラー領域を印刷させる(B)、という順序をとります。
A.フルカラー領域の印刷
(1) Illustratorで、特色カラー領域を隠し、フルカラー領域のみを表示させる。
(2) Windows用プリンタドライバ の「標準の設定」を設定する。
[プリンタとFAX]を開き、「ALPS MD-5500P」を右クリックしてプロパティを開く。
[詳細設定]タグの[標準の設定]ボタンをクリックする。
[ALPS MD-5500P 標準の設定]ダイアログから、以下のように設定する。
[基本設定]タグ-------------------------------------------
ドキュメント設定:自動
用紙の種類:印刷本紙
印刷設定:
特色印刷 のチェックをしない。
印刷モード:VDフォトカラー
[詳細設定]ボタンをクリックする。
用紙モード:VDフォトカラー(160線)(デフォルト)
他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
[用紙]タグ ---------------------------------------------
用紙サイズ:A6 (自由用紙サイズで登録済)
紙送り:「ページ合成」をチェックする。
他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
[イメージ調整]タグ ----------------------------------------
カラーマッチ:「なし」をチェックする。
他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
※アプリケーション(Illustrator)側でICCプロファイルを指定してカラーマッチングするので、プリンタ側ではカラーマッチングはなしにする。
[OK」ボタンをクリックしながら[標準の設定]、「ALPS MD-5500P」のプロパティを終了する
(3) クライアント(Mac OS X)に戻り、Illustrator 10.0.3 の[ファイル]メニューから[プリント]を選び、[プリント]ダイアログから、次のように設定し、[プリント]ボタンをクリックする。
[プリントスペース]
プロファイル:MDP_PressVDPhoto_Fine.icc
マッチング方法:知覚
※プリントスペースのプロファイルは、該当する用紙(ここでは、印刷本紙)のICCプロファイルを指定する。
(4) しばらくして、サーバー側のデスクトップに「ALPS MD-5500P-Status Monitor」が起動して、印刷が始まり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に印刷される。「ページ合成」機能を指定しているため、フルカラー領域の印刷終了後、紙送りが一時的な停止状態になる。
引き続き、特色カラー領域の印刷に移ります。
B.特色カラー領域の印刷
(1) Illustratorに戻り、フルカラー領域を隠し、特色カラー領域のみを表示させる。
(2) Windows用プリンタドライバの標準設定を適用しておく
[プリンタとFAX]を開き、「ALPS MD-5500P」を右クリックしてプロパティを開く。
[詳細設定]タグの[標準の設定]ボタンをクリックする。
[ALPS MD-5500P 標準の設定]ダイアログから、以下のように設定する。
[基本設定]タグ-------------------------------------------
ドキュメント設定:自動
用紙の種類:印刷本紙
印刷設定
特色印刷 をチェックして、[特色設定] ボタンをクリックする。
特色の設定:特色フラッシュカラー
印刷方法:フルカラー+特色
インクカセットの選択:フラッシュゴールドをチェックする。
[OK]ボタンをクリックする。
印刷モード:VDフォトカラー
[詳細設定]ボタンをクリックする。
用紙モード:VDフォトカラー(160線)(デフォルト)
[用紙]タグ ---------------------------------------------
用紙サイズ:A6 (自由用紙サイズで登録済)
ページ合成のチェックをはずす。
[イメージ調整]タグ ----------------------------------------
デフォルトのままにしています。
特色カラー印刷だけなので、カラーマッチは、なしでも自動でもどちらでもよい。
(3) クライアント(Mac OS X)に戻り、Illustrator 10.0.3 の[ファイル]メニューから[プリント]を選び、[プリント]ダイアログから、次のように設定し、[プリント]ボタンをクリックする。
「フォントをダウンロードする」にチェックを入れる。
[プリントスペース]
プロファイル:カラースペースを変換しない
※プリントスペースのプロファイルをソースカラースペース以外にすると色成分が変わってしまい、特色領域がフルカラー印刷となってしまいます。
(4) しばらくして、サーバー側のデスクトップに「ALPS MD-5500P-Status Monitor」が起動して、印刷が始まる。フラッシュゴールドの領域は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインクの順で下地が塗り重ねられ(黒文字はブラックの下地が塗られる時に印刷される)、最後にフラッシュゴールドインクが熱転写される。出来上がりは前回を参照下さい。
今回の方法の長所は、フルカラー領域の色合いにICCプロファイルの効果がみられ、見事にカラーマッチングしていることです。短所は、ページ合成機能を使う必要性から、2段階の印刷過程を経るために印刷時間が長くなることでしょう。
※何枚も何十枚も同じものを印刷する場合は、これではやってられません。しかし、便利な印刷ユーティリティを使うことにより、この煩雑さから開放される(かもしれません)。これについては、後日、紹介いたします。
ラベル: MDプリンタのPS化
2008/07/31
当ブログの内容の吟味と整理について
前ブログ「ALPS マイクロドライプリンタ顛末記」を開始して、この8月で1年が経過しようとしています。ブログ形式を利用して、私なりの「マイクロドライプリンタ使用におけるノウハウ」を紹介しながら、少しでも皆様のマイクロドライプリンタ活用の手助けになればと思い、続けてまいりました。1周年を機会に、内容を吟味、整理して、Web上に移動させたいと思っております。訪れていただいた皆様には、しばらくご不自由をおかけすることもあると思いますが、ご了承くださいませ。m(_ _)m
2008/07/29
マイクロドライプリンタのPS化 ~ 実践 RGBデータの巻 (1)
今まで掲載してきた「マイクロドライプリンタのPS化」システムを使って、実際に印刷してみることにします。
フルカラーと特色カラー(フラッシュゴールドとブラック)をページ合成を使わないで1度に印刷します(当ブログLinkのオンラインマニュアル(P27)「フルカラーと特色フラッシュカラーを1度に印刷」か、MD-5500/MD-5000付属のユーザーズマニュアルのWindowsの場合を参照ください)。
[クライアント]
OS・・・Mac OS X 10.4.11
アプリケーション・・・Adobe Illustrator 10.0.3
PSプリンタドライバ・・・MDPusr-5500P
[仮想PSサーバー]
OS・・・Windows xp HomeEdition sp2
プリンタドライバ・・・PSプリンタドライバ MDPusr-5500P、Windows 2000/XP用 ALPSプリンタドライバ Ver.2.3.3 A1 Beta(あるいは現行の Ver.2.3.2)
プリンタ・・・ALPS MD-5500P
[データについて]
書類のカラーモードはRGBカラーとし、写真画像をIlustratorに配置し、それ以外のデータをIllustratorで作成した(下図参照)。
(背景画像:ALPS 「MD-5000 素材Library」CDの PHOTO\SENSU.PCTより)
特色カラー領域の色成分は、マニュアルにしたがって、
フラッシュゴールド領域(「迎春」)は、R=225、G=160、B=0、に
黒色文字領域(「今年も・・・2008年 元旦」)は、R=G=B=0
としている。
[その他]
用紙:印刷本紙((株)PCM竹尾 MDマット)
用紙サイズ:A6(カスタムサイズ)
インクカセット:フラッシュゴールド、紙用シアン、紙用マゼンタ、紙用イエロー、紙用ブラック
データ作成から印刷までの手順
(1) Illustrtator で、書類のカラーモードをRGBカラーにして新規作成し、上記([データについて])のRGBデータを作成する。
(2) 印刷するデータの種類(「フルカラーと特色カラー(フラッシュゴールドとブラック)を1度に印刷」)から、マニュアルにしたがって、Windows用プリンタドライバの標準設定を適用しておく(此処が重要!!)(*1)。
[プリンタとFAX]を開き、「ALPS MD-5500P」を右クリックしてプロパティを開く。
[詳細設定]タグの[標準の設定]ボタンをクリックする。
[ALPS MD-5500P 標準の設定]ダイアログから、以下のように設定する。
[基本設定]タグ-------------------------------------------
ドキュメント設定:自動
用紙の種類:印刷本紙
印刷設定
特色印刷 をチェックして、[特色設定] ボタンをクリックする。
特色の設定:特色フラッシュカラー
印刷方法:フルカラー+特色
インクカセットの選択:フラッシュゴールドをチェックする。
[OK]ボタンをクリックする。
印刷モード:VDフォトカラー
[詳細設定]ボタンをクリックする。
用紙モード:VDフォトカラー(160線)(デフォルト)
[用紙]タグ ---------------------------------------------
用紙サイズ:A6 (自由用紙サイズで登録済)
[イメージ調整]タグ ----------------------------------------
デフォルトのままにしています。
写真などの多諧調画像があるので、カラーマッチは、なしより自動の方が結果は良好です。
(3) クライアント(Mac OS X)に戻り、Illustrator 10.0.3 [ファイル]メニュー‐[プリント]を選び、[プリント]ダイアログから、下のように設定し、(赤線で囲まれた部分)[プリント]ボタンをクリックする。
※ プリントスペースのプロファイルをソースカラースペース以外にすると色成分が変わってしまい、特色領域がフルカラー印刷となってしまうので、特に注意を要する。
(4) しばらくして、サーバー側のデスクトップに「ALPS MD-5500P-Status Monitor」が起動して、印刷が始まり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそして最後にフラッシュゴールドの順に印刷される。下の図は、印刷本紙(MDマット)に印刷した結果を写真撮影したものです。
(*1) アプリケーションでプリントを開始して(印刷ダイアログを開かせないで)自動的に印刷させる場合は‐‐‐クライアントから送られてきたデータは、Redomonシステムを経て、Windows用ドライバのデフォルトの設定(標準設定)を参照してプリンタに送られるので‐‐‐上記(2)のように、「アプリケーションから印刷する前に、Windows用プリンタドライバの設定を標準設定として済ませておく」ことが必要です。
この手順は煩わしいようだが、通常の印刷の場合と順序が前後するだけで同じことなので、慣れてしまえば不自由に思わなくなるでしょう。[プリンタとFAX]からデスクトップに、ドライバ ALPS MD-5500P のショートカットを作っておき、そこから設定すると随分便利になると思います。
ただし、Windows 2000 professional の場合は、OSの仕様上、Windows用ドライバの印刷ダイアログが開くので、ALPS MD-5500P を選んでプロパティから(2)のように印刷設定をしなければなりません(あらかじめ(2)のように設定済みならば、ALPS MD-5500P を選んでプリントすればよい)。(WIndows xpでも印刷ダイアログを出すほうが色々と、都合がよい場合もあります)
☆☆☆ RGBデータであれば、マイクロドライプリンタのマニュアルに掲載されている印刷方法は(勿論、ページ合成も)、Mac OS Xからも可能である、と思います。更に、カラーマネージメントに対応したアプリケーションであれば、Mac OS X用プリンタドライバ1.0.2(あるいは、旧Mac OS用プリンタドライバ ver.6.4.6)と同時にインストールされるプリンタプロファイルを用いた印刷も可能になります。
そして、Mac OS X用プリンタドライバ ver.1.0.2の制限から開放されることでしょう
長くなり過ぎて、誤字脱字駄文があると思います。気が付けば直しておきますので、ご容赦くださいませ。
次は、同じく Adobe Illustrator 10.0.3 からCMYKデータを作成して、印刷してみます。
ラベル: MDプリンタのPS化
2008/07/27
MICROLINE 7050c保守期限の憂鬱
沖データのWebによれば、マイクロドライプリンタのA3ノビ版である MICROLINE 7050c の保守対応期限が、来年の秋(2009.09.30 )までということである。思えば、発売前にALPSから案内メール(封書のダイレクトメール)が来た(定価が24万云々円)記憶があります(買えなくてよかった?)。
7050c用インクリボンも来年秋で手に入らなくなるのだろうか? あのインクリボンは中々優秀で今回掲載のMD-5500のPS化システムでも活躍した(特にイエローとシアンは秀逸(レッドはALPSの方がよかった))。メタリックレッドが完全にMD-5500で使えなくなるのが一番残念、ストックに走ろうか。これを機会にALPS純正のインクリボンを使いこなす方がいいのだろうと思う今日この頃です。
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 ~ クライアント・PSサーバー間の通信(SMB)
SMBプロトコルを利用して、クライアント(Mac OS X 10.4.11)から仮想PSサーバー(Windows xp Home Edition sp2/2000 professional sp4)へ通信し、 ALPS MD-5500 の印字動作を検証してみます。
クライアント・PSサーバー間の通信(SMB)
(1) クライアント(Mac OS X) の起動画面より、[アップルメニュー]-[環境設定]-[システム環境設定]ダイアログと進み、[プリントとファクス]アイコンをクリックして[プリントとファクス]ダイアログを表示させる。
(2) [+]ボタンをクリックして[プリンタブラウザ]ダイアログで[ほかのプリンタ...]ボタンをクリックする。
(3) 一番上のポップアップメニューから[Windows プリント]を選び、直ぐ下の[ネットワーク関連グループ]を選ぶと、サーバーのコンピュータが属するワークグループの名前が表示される(ここでは、サーバーのコンピュータ名は「XXX-wxphome」、属するワークグループ名は 「MYGROUP」としている(*))。
(4) それを選んだあと、[選択]ボタンをクリックする。[プリンタブラウザ]ダイアログ内に、下のように、サーバーのコンピュータの名前が表示されるので、それを選んで、[選択]ボタンをクリックする。
(5) ダイアログにしたがって、ユーザの名前とパスワードを入れて[OK]ボタンをクリックする。
(6) 図のように、以前セットアップしたMD-5500用PSプリンタドライバ---コメント欄にPSプリンタ名 「MDPusr MD-5500P」、名前の欄にその共有名 「MDPusr -5500P」 --- が現れる。
下の[プリンタの機種]ポップアップメニューから 「MDPusr」 を選ぶと、機種名「MDPusr MD-5500P」 が現れるので、これを選び、[追加]ボタンをクリックする。
(7) [プリントとファクス]をみると、プリンタ欄に 「MDPusr-5500P」 と登録されています。
(*)PSサーバーのコンピュータ名とワークグループについて
<< Windows xp HomeEdition >>
[スタート]-[コントロールパネル]-[システム]アイコンをダブルクリックして[システムのプロパティ]の[コンピュータ名]タグを選ぶと、「フル コンピュータ名」と「ワークグループ]が表示されます。[変更]ボタンで編集もできる。
<< Windows 2000 professional >>
[スタート]-[コントロールパネル]-[システム]アイコンをダブルクリックして[システムのプロパティ]の[ネットワークID]タグを選ぶと、「フル コンピュータ名」と「ワークグループ]が表示されます。[プロパティ]ボタンで編集もできる。
次は、Mac OS X 10.4.11上のAdobe ilustrator等のアプリケーションから印刷を試みてみます。
ラベル: MDプリンタのPS化
2008/07/21
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 サーバー・クライアントと通信プロトコルについて
下の図は、仮想PSサーバーとクライアント(Mac OS X)間の通信の流れと、それを可能にするプロトコルを示しています(正しい図ではないと思うが大目に見て下さいませ)。家では、大体このような(iMacではないが)形式でMD-5500Pから印刷しています。
クライアント(Mac OS X 10.3.9、10.4.11)は、標準でSMBかLPRプロトコルを利用してサーバー(Windows 2000/xp)と通信可能になります。ただし、LPRプロトコルの場合、サーバーがクライアントからの信号を受け取るために「Windowsコンポーネントの追加と削除」から「UNIX用印刷サービス」を別途インストールしてLPDプリントサーバー機能(上図内(*))をセットしておく必要があります。
通常は、サーバーから直接USBケーブルを介して、MD-5500で印刷します。その他には、MD-5500にプリントサーバー(家ではパラレルポート用)を挿して、LAN接続で任意の場所にMD-5500を置き、印刷することも可能でしょう。
同様な方法でクライアントOS内に仮想PC(Virtual PC for Mac)を作りPSサーバーを実現することも可能です。この場合は、Mac本体の性能により処理スピードが問題になる場合があります。今時の、Intel Macでは、仮想PC(VMware Fusionなど)を利用してより処理速度の速い仮想PSサーバが実現できそうな気がしますが、実験できない・・・(こっちが本命なのですが)
これから、図に従って2つ(SMBとLPRプロトコル)の場合を考えます。
パソコンの熱、クマゼミの鳴き声、とても暑くて堪りません。
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化
2008/07/04
それはさて置き・・・
久しぶりの更新です。
販売終了間際だったWindows xp home edition sp2(通常版)を購入して、
増設したHDD(80G)にinstall(デュアルブートの98se、2000に加えて
マルチブートになった)して、アプリのセットアップも完了しました。
xpでないとインストール出来ないものもあるので仕方ないです。
これで人並みに最新?OS にできたのかと・・・
このWindows xpは将来、Intel iMacに入れる予定で通常版に
しておきましたが、いつになるやら (^^;
2008/06/10
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 テスト印刷 on Windows 2000 sp4
テスト印刷環境は、次のようです。
OS:Windows 2000 sp4
アプリケーション:Adobe Illustrator CS2
プリンタ:ALPS MD-5500P
プリンタドライバ:Windows 2000/XP用 Ver.2.3.2
前回までに作成した、MD-5500P用PSプリンタドライバ MDPusr-5500P
Adobe Illustrator CS2 にて6つの星印のデータ作成後、A6サイズの印刷本紙(MDマット)に160lpiで印刷しました(フラッシュゴールド領域の印刷にのみページ合成機能を使っています。)
印刷結果を下に示します(スキャナでスキャン後Web用に処理)。
左上の星印(シアン)のデータは、外側から内側へ向かって、C = 40 %、60%、100%、M=Y=K=0%、です。この部分のみを拡大した画像(下図)を見ると、データの通りに、シアンインクのみ使われて、他(マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクが使われていないのが判ります。
次の拡大図は下段中央の星印データで、外側から内へ M=Y=40%、60%、100%、C=K=0% です。
これもデータ通りで、マゼンタとイエローのインクのみ使われ、他(シアン、ブラック)のインクは使われていません。他の結果も同様です。
「データ以外のインクは混在させない」
これがPS化の目的の一つです。同じことはALPS純正のソフトリップ(Micro Dry RIP)にしかできなかったのです。MD-5500Pの能力通りの160lpi 印刷が可能であるという点では、純正リップ(Micro Dry RIP は160lpi不可)に優っています。ただ、この方法の欠点は、ブラックインクのみによって、160lpiや190lpiでブラックのハーフトーンは(通常の方法では)実現できないという点です(これは、Windows用非PSドライバの仕様によるものです)。
PSプリントサーバになる一台のWindows OS上で印字テストは成功した、ということにしておきます。
次は、LANで結ばれている、Mac(Mac OS X)や他のPC(Windows OS)をクライアントとする方法を考えていきます。その上で、Windows 2000だけにかかわる問題点も考えていきます。
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化
2008/06/09
オンラインマニュアルをLinkに追加しました
マイクロドライプリンタ用オンラインマニュアル(PDF)があったのでLinkに追加しました。Windows XP/2000/NT4.0(プリンタドライバ Ver2.3.0)用です。左クリックでマニュアルが立ち上がるのでお手軽かもしれません(そろそろWeb上から消えそうなので必要ならダウンロードして保存しておくのもいいかと・・・)。
特色カラーにおける色成分指定の情報等役に立ちます。
ラベル: MDプリンタのPS化
2008/06/07
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 PPDファイル作成 (補足)
カスタムサイズ用紙の登録とPPDファイルについて補足しておきます。
A4サイズ用紙を1/4に断裁(A6サイズ用紙相当)してテスト印刷に使うことが多いので、PPDファイル(MDPusr-5500P.PPD:マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 PPDファイル作成 (2) 参照)に用紙サイズとしてこれを付加しておきます。忘れてならないのは、Windows用プリンタドライバ ALPS MD-5500P の方に、先ず、A6サイズ(105 × 148 mm) を自由用紙サイズとして保存、登録しておくことです。これをもとにして、以前やったように他の用紙サイズの場合に準じてPPDファイルに記述する数値を決めていきます。
結果として、以下の影付きの部分(6個所)をそれぞれ「VDフォトはがき」に関する記述の後に付け加えます。
+(ファイル名:MDPusr-5500P.PPD 付加部分:影付き個所)+
==========================
*PPD-Adobe: "4.3"
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*% Paper Handling ===================
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*PageSize VDPhotoCard/VDフォトはがき: "
2 dict dup /PageSize [283.44 453.60] put dup /ImagingBBox null put setpagedevice"
*End
*PageSize A6/A6:" 2 dict dup /PageSize [297.60 419.52] put dup /ImagingBBox null put setpagedevice" *End |
*?PageSize: "
save
currentpagedevice /PageSize get aload pop
2 copy gt {exch} if
(Unknown)
7 dict |
dup [515.76 728.40] (B5) put
dup [612.00 792.00] (Letter) put
dup [634.92 1006.20] (A4Extra) put
dup [283.44 419.52] (PostCard) put
dup [283.44 453.60] (VDPhotoCard) put
dup [297.60 419.52] (A6) put |
5 index sub abs 5 le and
{exch pop exit} {pop} ifelse
} bind forall
= flush pop pop
restore
"
*End
*CloseUI: *PageSize
*% definition of imaging area of page ========================
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*PageRegion VDPhotoCard/VDフォトはがき: "
2 dict dup /PageSize [283.44 453.60] put dup /ImagingBBox null put setpagedevice"
*End
*PageRegion A6/A6: " 2 dict dup /PageSize [297.60 419.52] put dup /ImagingBBox null put setpagedevice" *End |
*% The following entries provide information about specific paper keywords.
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*ImageableArea VDPhotoCard/VDフォトはがき: "9.60 42.6 273.84 445.08"
*ImageableArea A6/A6: "9.60 42.60 288.00 385.44" |
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*% These provide the physical dimensions of the paper (by keyword)
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*PaperDimension VDPhotoCard/VDフォトはがき: "283.44 453.60"
*PaperDimension A6/A6: "297.60 419.52" |
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*% End of PPD file for MDPusr MD-5500P
==========================
以上です。
※ 影付きの部分で、「A6/A6」 と2バイト文字の A6 を付け足したのは、こちらの都合です。「/A6」の部分は無くてもかまわないと思います。
付け加えて保存した後は、以前(マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 仮想PSプリントサーバ on Windows 2000 sp4 (1) )やった通りに MD-5500P用PSプリンタドライバ を作成します。
本当に度々よく使うサイズ以外は、登録する必要はないと思います。
カスタムサイズ用紙を登録の際は、Windows用プリンタドライバ ALPS MD-5500P のほうの自由用紙サイズの保存、登録をお忘れなく。
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化
2008/06/04
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 仮想PSプリントサーバ on Windows 2000 sp4 (3)
F.仮想PSプリントサーバの構築
MD-5500P用PSプリンタドライバに Redirected Port と Ghostscript を組込む。
コントロールパネルのプリンタに登録しておいた MDPusr MD-5500P を右クリックしてプロパティを選ぶ。
プロパティ画面から「ポート」タブを選び、Redirected Port の「PRT1:」にチェックを入れ、「適用」ボタンをクリックして MDPusr MD-5500P のプリンタポートとして「PRT1:」 を決定する。
次に、「ポートの構成」ボタンをクリックして、Redirected Port(PRT1:) のプロパティ画面を表示させる。
「Redirect this port to the program」欄へは、Ghostscript の Windows用実行ファイル gswin32c.exeのパス名が入るが、ここでは、
C:\gs\gs8.62\gswin32c.exe |
となる。
「Arguments for this program are」欄へは、実行ファイルに続くスイッチや引数からなるコマンドラインが入るが、ここでは、
-q -dBATCH -dNOPAUSE -sDEVICE=mswinpr2 -sOutputFile="\\spool\ALPS-MD5500P" - |
と記入する。(解像度を指定するスイッチ -r は、mswinpr2デバイスを使用するときは、Windows用ドライバ側で指定するので不要(あっても無視される)。)
"\\spool\ALPS-MD5500P" には、Windows用プリンタドライバインストール時にプリンタに登録されるプリンタ名(ここでは ALPS-MD5500P)を入れる。
「Output」欄は、Program handles output
「Run」欄は、Hidden
を選ぶ。
続いて、「OK」ボタンをクリックし、MDPusr MD-5500P のプロパティ画面で「OK」ボタンをクリックし、設定を終了させる。
これで、「アプリケーションから送られてきたデータが、PSプリンタドライバ「MDPusr MD-5500P」でPS形式データに変換され、それのプリンタポート「PRT1:」 からGhostscriptに送られ、Windows用データに変換され、Windows用プリンタドライバ「ALPS MD-5500P」に送られる」ということになるわけです。
以上で、仮想PSプリントサーバの中核になる ALPS MD-5500P用PSプリンタドライバ(MDPusr MD-5500P)の設定がほぼ終了した、ということになります。
(次回は、この仮想PSプリントサーバのある Windows 2000 sp4 搭載機からプリントしてみることにします。)
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化, windows 2000, 仮想PSプリントサーバ