2008/09/23

マイクロドライプリンタのPS化 ~ プリンタプロファイルの解析と活用 (1)

マイクロドライプリンタPS化システムにおいてMacintosh OS(旧Mac OSとMac OS X)用に提供されるプリンタプロファイルを使ってみよう。

というわけで、まずは、Mac OS X 10.4.11(PPC)用のICCプロファイルを解析してみることにします(以前のブログより修正、加筆)。 下の表は、Mac OS X(Mac OS X 10.4.11(PPC))用プリンタドライバver.1.0.2に組み込まれるColorSync用ICCプロファイルの一覧です。

Mac OS X ColorSync用ICCプロファイル-Windows2000/XP 用ドライバ対応表
ファイル名 印刷
モード
解像度
ハーフ
トーン
対応用紙
MDP_OHP_Fine.icc 標準 600dpi 145lpi 専用OHP
MDP_PhotoColor_MD1300.icc(*1) 昇華フォトカラー 600dpi - フォトカラーペーパー,フォトカラーはがき,フォトカラーシール
MDP_PhotoColor_MD5000P.icc(*2) 昇華フォトカラー 600dpi - フォトカラーペーパー,フォトカラーはがき,フォトカラーシール
MDP_PhotoColor_MD5500P.icc(*3) 昇華フォトカラー 600dpi - フォトカラーペーパー,フォトカラーはがき,フォトカラーシール
MDP_PPC_Fine.icc 標準 600dpi 145lpi 普通(コピー)紙,平滑紙,官製はがき,厚紙,アイロンシート,光沢転写フィルム
MDP_Glossy_Fine.icc(*4) 標準 600dpi 145lpi 普通(コピー)紙,平滑紙,官製はがき,厚紙
MDP_Press_Fine.icc 標準 600dpi 145lpi 印刷本紙
MDP_VDPhoto_Std.icc VDフォトカラー 2400dpi 145lpi 普通(コピー)紙,平滑紙,厚紙,官製はがき
MDP_PressVDPhoto_Fine.icc VDフォトカラー 2400dpi 160lpi 印刷本紙
MDP_VDPhotoFilm_Super.icc VDフォトカラー 2400dpi 190lpi VDフォトフィルム,専用光沢シール
MDP_VDPhotoPaper_Super.icc VDフォトカラー 2400dpi 190lpi VD用紙,VDフォトはがき
MDP_VDPhotoPaper2_Super.icc VDフォトカラー 2400dpi 190lpi VD用紙2
(*1)MD-1300用 (*2)MD-5000P用 (*3)MD-5500P用 (*4)光沢仕上げインク使用

これらは、ドライバのインストール時に、「ライブラリ/Printers/ALPS/MicrDryPM.plugin/Contents/Resouces」にコピーされます。そして、プリント時に「プリント」ダイアログの「カラー設定」で「カラーマッチング:ColorSync」とした場合に、その他の「カラー設定」や「メディア設定」等に対応したプロファイルが自動的にプリンタに割り当てられます(出力解像度や線数などは明示されない)。

判りやすいように、12種類のICCプロファイルと Windows2000/XP用ドライバVer.2.3.2 で明示される印刷モード,解像度,ハーフトーン(線数),用紙の種類とを対応させています。(ただし、この対応は当方が所有する ALPS MD-5500 のOS(Windows XP、Mac OS X 10.4.11(PPC)、Mac OS 9.2.2)用 ドライバの機能から比較推定したものであることをお断りしておきます。)

通常の使用では、ユーザーがICCプロファイルを見ることはないが、Adobe Illustrator や Photoshop 等のアプリケーションを通して(プリントスペースのプロファイルのプルダウンメニュー)見ることができます。ただし、ICCプロファイルはColorSync用であり、ここでプロファイルを指定することはありません(カラーマッチングでColorSyncを指定する場合、一般に、プリンタ独自のプロファイルは指定してはならない)。したがって、ALPSは、プリントスペースでALPSのプリンタプロファイルを指定することは想定外であり、保証していません。

上表を作成するにあたり,改めて各OS用ドライバの印刷機能を調べていく中で気付いたことがあります。Mac OS Xでは印刷解像度や 線数はユーザーからは見えなくなっていることに加えて、VDフォトカラー印刷では,Mac OS9やWindows用プリンタドライバでいう 解像度2400dpi、出力線数(ハーフトーン)160lpi の印刷は印刷本紙のみの対応であるということです。メディア設定で普通(コピー)紙や平滑紙を選んだ場合、自動的に2400dpi、145lpiに固定され、それしか(MFインクを使っても)出力しないということです(160lpiで出力するには、メディア設定で「印刷本紙」を選ぶしかない)。これはWindows2000/XPで160lpiや145lpi印刷したものと比べた結果です。マニュアルにもALPSのWebにもこの辺の記述がないようです。間違いがあればご指摘お願いします。

このように、印刷本紙以外(ハイグレードペーパーや一般の平滑な上質紙)に対応した「160lpi印刷用ICCプロファイル」が存在しないことが、マイクロドライプリンタPS化システムのWindows用ドライバが主流(?)とする160lpi印刷にとって不都合となってきます(印刷結果の明らかな違いを気すればだが)。

その対応も含めて、次回(マイクロドライプリンタのPS化 ~ プリンタプロファイルの解析と活用 (2))へ続く・・

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