2008/08/04

マイクロドライプリンタのPS化 ~ 実践 RGBデータの巻 (2)

今回は、「マイクロドライプリンタのPS化」システムに、プリンタ用ICCプロファイルを用いたカラーマッチングを適用してみます(前回はプリンタドライバ独自のカラーマッチングを適用)。

このプリンタプロファイルは、Mac OS X用プリンタドライバVer.1.0.2をインストールする時に自動的にインストールされます。元来はカラーマッチングをColorSyncで行うためのプロファイルだが、今回のようなアプリケーション側からのカラーマッチングにも利用できます。

[データについて]
前回と同じだが、フルカラー領域(背景画像)と特色カラー領域(フラッシュゴールド領域の「迎春」と黒色文字領域の「今年も・・・2008年 元旦」)をそれぞれ異なるレイヤーに配置しておく。

[用紙、インクカセット](前回と同じ)
用紙:印刷本紙((株)PCM竹尾 MDマット)
用紙サイズ:A6(カスタムサイズ)
インクカセット:フラッシュゴールド、紙用シアン、紙用マゼンタ、紙用イエロー、紙用ブラック

データ作成から印刷までの手順
1.Illustrtator で、書類のカラーモードをRGBカラーにして新規作成し、上記([データについて])のRGBデータを作成する。

2.まず最初に、フルカラー領域を「ページ合成」機能を使って印刷させ(A)、引き続いて特色カラー領域を印刷させる(B)、という順序をとります。

A.フルカラー領域の印刷

(1) Illustratorで、特色カラー領域を隠し、フルカラー領域のみを表示させる。
(2) Windows用プリンタドライバ の「標準の設定」を設定する。
 [プリンタとFAX]を開き、「ALPS MD-5500P」を右クリックしてプロパティを開く。
 [詳細設定]タグの[標準の設定]ボタンをクリックする。
 [ALPS MD-5500P 標準の設定]ダイアログから、以下のように設定する。

 [基本設定]タグ-------------------------------------------
 ドキュメント設定:自動
 用紙の種類:印刷本紙
 印刷設定:
  特色印刷 のチェックをしない。
  印刷モード:VDフォトカラー
  [詳細設定]ボタンをクリックする。
   用紙モード:VDフォトカラー(160線)(デフォルト)
 他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
 [用紙]タグ ---------------------------------------------
 用紙サイズ:A6 (自由用紙サイズで登録済)
 紙送り:「ページ合成」をチェックする。
 他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
 [イメージ調整]タグ ----------------------------------------
 カラーマッチ:「なし」をチェックする。
 他の必要事項を確認して[適用]ボタンをクリックする。
※アプリケーション(Illustrator)側でICCプロファイルを指定してカラーマッチングするので、プリンタ側ではカラーマッチングはなしにする。

[OK」ボタンをクリックしながら[標準の設定]、「ALPS MD-5500P」のプロパティを終了する

(3) クライアント(Mac OS X)に戻り、Illustrator 10.0.3 の[ファイル]メニューから[プリント]を選び、[プリント]ダイアログから、次のように設定し、[プリント]ボタンをクリックする。
 [プリントスペース]
  プロファイル:MDP_PressVDPhoto_Fine.icc
  マッチング方法:知覚
※プリントスペースのプロファイルは、該当する用紙(ここでは、印刷本紙)のICCプロファイルを指定する。

(4) しばらくして、サーバー側のデスクトップに「ALPS MD-5500P-Status Monitor」が起動して、印刷が始まり、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に印刷される。「ページ合成」機能を指定しているため、フルカラー領域の印刷終了後、紙送りが一時的な停止状態になる。

引き続き、特色カラー領域の印刷に移ります。

B.特色カラー領域の印刷

(1) Illustratorに戻り、フルカラー領域を隠し、特色カラー領域のみを表示させる。
(2) Windows用プリンタドライバの標準設定を適用しておく
 [プリンタとFAX]を開き、「ALPS MD-5500P」を右クリックしてプロパティを開く。
 [詳細設定]タグの[標準の設定]ボタンをクリックする。
 [ALPS MD-5500P 標準の設定]ダイアログから、以下のように設定する。

 [基本設定]タグ-------------------------------------------
 ドキュメント設定:自動
 用紙の種類:印刷本紙
 印刷設定
 特色印刷 をチェックして、[特色設定] ボタンをクリックする。
   特色の設定:特色フラッシュカラー
   印刷方法:フルカラー+特色
   インクカセットの選択:フラッシュゴールドをチェックする。
   [OK]ボタンをクリックする。
 印刷モード:VDフォトカラー
 [詳細設定]ボタンをクリックする。
   用紙モード:VDフォトカラー(160線)(デフォルト)

 [用紙]タグ ---------------------------------------------
 用紙サイズ:A6 (自由用紙サイズで登録済)
 ページ合成のチェックをはずす。

 [イメージ調整]タグ ----------------------------------------
 デフォルトのままにしています。
 特色カラー印刷だけなので、カラーマッチは、なしでも自動でもどちらでもよい。
(3) クライアント(Mac OS X)に戻り、Illustrator 10.0.3 の[ファイル]メニューから[プリント]を選び、[プリント]ダイアログから、次のように設定し、[プリント]ボタンをクリックする。
 「フォントをダウンロードする」にチェックを入れる。
 [プリントスペース]
  プロファイル:カラースペースを変換しない
※プリントスペースのプロファイルをソースカラースペース以外にすると色成分が変わってしまい、特色領域がフルカラー印刷となってしまいます。

(4) しばらくして、サーバー側のデスクトップに「ALPS MD-5500P-Status Monitor」が起動して、印刷が始まる。フラッシュゴールドの領域は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインクの順で下地が塗り重ねられ(黒文字はブラックの下地が塗られる時に印刷される)、最後にフラッシュゴールドインクが熱転写される。出来上がりは前回を参照下さい。

今回の方法の長所は、フルカラー領域の色合いにICCプロファイルの効果がみられ、見事にカラーマッチングしていることです。短所は、ページ合成機能を使う必要性から、2段階の印刷過程を経るために印刷時間が長くなることでしょう。

※何枚も何十枚も同じものを印刷する場合は、これではやってられません。しかし、便利な印刷ユーティリティを使うことにより、この煩雑さから開放される(かもしれません)。これについては、後日、紹介いたします。

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