テスト印刷環境は、次のようです。
OS:Windows 2000 sp4
アプリケーション:Adobe Illustrator CS2
プリンタ:ALPS MD-5500P
プリンタドライバ:Windows 2000/XP用 Ver.2.3.2
前回までに作成した、MD-5500P用PSプリンタドライバ MDPusr-5500P
Adobe Illustrator CS2 にて6つの星印のデータ作成後、A6サイズの印刷本紙(MDマット)に160lpiで印刷しました(フラッシュゴールド領域の印刷にのみページ合成機能を使っています。)
印刷結果を下に示します(スキャナでスキャン後Web用に処理)。
左上の星印(シアン)のデータは、外側から内側へ向かって、C = 40 %、60%、100%、M=Y=K=0%、です。この部分のみを拡大した画像(下図)を見ると、データの通りに、シアンインクのみ使われて、他(マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクが使われていないのが判ります。
次の拡大図は下段中央の星印データで、外側から内へ M=Y=40%、60%、100%、C=K=0% です。
これもデータ通りで、マゼンタとイエローのインクのみ使われ、他(シアン、ブラック)のインクは使われていません。他の結果も同様です。
「データ以外のインクは混在させない」
これがPS化の目的の一つです。同じことはALPS純正のソフトリップ(Micro Dry RIP)にしかできなかったのです。MD-5500Pの能力通りの160lpi 印刷が可能であるという点では、純正リップ(Micro Dry RIP は160lpi不可)に優っています。ただ、この方法の欠点は、ブラックインクのみによって、160lpiや190lpiでブラックのハーフトーンは(通常の方法では)実現できないという点です(これは、Windows用非PSドライバの仕様によるものです)。
PSプリントサーバになる一台のWindows OS上で印字テストは成功した、ということにしておきます。
次は、LANで結ばれている、Mac(Mac OS X)や他のPC(Windows OS)をクライアントとする方法を考えていきます。その上で、Windows 2000だけにかかわる問題点も考えていきます。
2008/06/10
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 テスト印刷 on Windows 2000 sp4
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化
2008/06/09
オンラインマニュアルをLinkに追加しました
マイクロドライプリンタ用オンラインマニュアル(PDF)があったのでLinkに追加しました。Windows XP/2000/NT4.0(プリンタドライバ Ver2.3.0)用です。左クリックでマニュアルが立ち上がるのでお手軽かもしれません(そろそろWeb上から消えそうなので必要ならダウンロードして保存しておくのもいいかと・・・)。
特色カラーにおける色成分指定の情報等役に立ちます。
ラベル: MDプリンタのPS化
2008/06/07
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 PPDファイル作成 (補足)
カスタムサイズ用紙の登録とPPDファイルについて補足しておきます。
A4サイズ用紙を1/4に断裁(A6サイズ用紙相当)してテスト印刷に使うことが多いので、PPDファイル(MDPusr-5500P.PPD:マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 PPDファイル作成 (2) 参照)に用紙サイズとしてこれを付加しておきます。忘れてならないのは、Windows用プリンタドライバ ALPS MD-5500P の方に、先ず、A6サイズ(105 × 148 mm) を自由用紙サイズとして保存、登録しておくことです。これをもとにして、以前やったように他の用紙サイズの場合に準じてPPDファイルに記述する数値を決めていきます。
結果として、以下の影付きの部分(6個所)をそれぞれ「VDフォトはがき」に関する記述の後に付け加えます。
+(ファイル名:MDPusr-5500P.PPD 付加部分:影付き個所)+
==========================
*PPD-Adobe: "4.3"
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*% Paper Handling ===================
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*PageSize VDPhotoCard/VDフォトはがき: "
2 dict dup /PageSize [283.44 453.60] put dup /ImagingBBox null put setpagedevice"
*End
*PageSize A6/A6:" 2 dict dup /PageSize [297.60 419.52] put dup /ImagingBBox null put setpagedevice" *End |
*?PageSize: "
save
currentpagedevice /PageSize get aload pop
2 copy gt {exch} if
(Unknown)
7 dict |
dup [515.76 728.40] (B5) put
dup [612.00 792.00] (Letter) put
dup [634.92 1006.20] (A4Extra) put
dup [283.44 419.52] (PostCard) put
dup [283.44 453.60] (VDPhotoCard) put
dup [297.60 419.52] (A6) put |
5 index sub abs 5 le and
{exch pop exit} {pop} ifelse
} bind forall
= flush pop pop
restore
"
*End
*CloseUI: *PageSize
*% definition of imaging area of page ========================
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*PageRegion VDPhotoCard/VDフォトはがき: "
2 dict dup /PageSize [283.44 453.60] put dup /ImagingBBox null put setpagedevice"
*End
*PageRegion A6/A6: " 2 dict dup /PageSize [297.60 419.52] put dup /ImagingBBox null put setpagedevice" *End |
*% The following entries provide information about specific paper keywords.
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*ImageableArea VDPhotoCard/VDフォトはがき: "9.60 42.6 273.84 445.08"
*ImageableArea A6/A6: "9.60 42.60 288.00 385.44" |
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*% These provide the physical dimensions of the paper (by keyword)
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*PaperDimension VDPhotoCard/VDフォトはがき: "283.44 453.60"
*PaperDimension A6/A6: "297.60 419.52" |
・・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・
*% End of PPD file for MDPusr MD-5500P
==========================
以上です。
※ 影付きの部分で、「A6/A6」 と2バイト文字の A6 を付け足したのは、こちらの都合です。「/A6」の部分は無くてもかまわないと思います。
付け加えて保存した後は、以前(マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 仮想PSプリントサーバ on Windows 2000 sp4 (1) )やった通りに MD-5500P用PSプリンタドライバ を作成します。
本当に度々よく使うサイズ以外は、登録する必要はないと思います。
カスタムサイズ用紙を登録の際は、Windows用プリンタドライバ ALPS MD-5500P のほうの自由用紙サイズの保存、登録をお忘れなく。
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化
2008/06/04
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 仮想PSプリントサーバ on Windows 2000 sp4 (3)
F.仮想PSプリントサーバの構築
MD-5500P用PSプリンタドライバに Redirected Port と Ghostscript を組込む。
コントロールパネルのプリンタに登録しておいた MDPusr MD-5500P を右クリックしてプロパティを選ぶ。
プロパティ画面から「ポート」タブを選び、Redirected Port の「PRT1:」にチェックを入れ、「適用」ボタンをクリックして MDPusr MD-5500P のプリンタポートとして「PRT1:」 を決定する。
次に、「ポートの構成」ボタンをクリックして、Redirected Port(PRT1:) のプロパティ画面を表示させる。
「Redirect this port to the program」欄へは、Ghostscript の Windows用実行ファイル gswin32c.exeのパス名が入るが、ここでは、
C:\gs\gs8.62\gswin32c.exe |
となる。
「Arguments for this program are」欄へは、実行ファイルに続くスイッチや引数からなるコマンドラインが入るが、ここでは、
-q -dBATCH -dNOPAUSE -sDEVICE=mswinpr2 -sOutputFile="\\spool\ALPS-MD5500P" - |
と記入する。(解像度を指定するスイッチ -r は、mswinpr2デバイスを使用するときは、Windows用ドライバ側で指定するので不要(あっても無視される)。)
"\\spool\ALPS-MD5500P" には、Windows用プリンタドライバインストール時にプリンタに登録されるプリンタ名(ここでは ALPS-MD5500P)を入れる。
「Output」欄は、Program handles output
「Run」欄は、Hidden
を選ぶ。
続いて、「OK」ボタンをクリックし、MDPusr MD-5500P のプロパティ画面で「OK」ボタンをクリックし、設定を終了させる。
これで、「アプリケーションから送られてきたデータが、PSプリンタドライバ「MDPusr MD-5500P」でPS形式データに変換され、それのプリンタポート「PRT1:」 からGhostscriptに送られ、Windows用データに変換され、Windows用プリンタドライバ「ALPS MD-5500P」に送られる」ということになるわけです。
以上で、仮想PSプリントサーバの中核になる ALPS MD-5500P用PSプリンタドライバ(MDPusr MD-5500P)の設定がほぼ終了した、ということになります。
(次回は、この仮想PSプリントサーバのある Windows 2000 sp4 搭載機からプリントしてみることにします。)
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化, windows 2000, 仮想PSプリントサーバ
2008/06/03
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 仮想PSプリントサーバ on Windows 2000 sp4 (2)
前回からのつづきです。
D.Ghostscript 8.62(日本語版)のインストール
前回ダウンロードしておいた Ghostscript 8.62(日本語版)の圧縮ファイル gs862w32full-gpl.zip を適当なフォルダに解凍する。
setupgs.exeを起動すると、次の画面が現れるので、
インストールするディレクトリを選び(デフォルトでは、C:\gs )、
「Install Ghostscript Fonts」と
「Use Windows TrueType fonts for Chinese. Japanese and Korean」に
チェックを入れ、「Install」ボタンをクリックする。
下の画面が出て、インストールが終る。
E.RedMonのセットアップ
ダウンロードしておいた 圧縮ファイル redmon17.zip を解凍し、 適当なフォルダ(ここでは、C:\RedMon)を作り、そこへ全てコピーする。
フォルダ内の setup.exe を起動する。
RedMonをインストールするかどうかで、「はい」をクリックする。
下のようなメッセージが出れば、大成功。
次に、コントロールパネルのプリンタフォルダから、「ファイル」-「サーバーのプロパティ」を選択する。
「ポート」タグをクリックし、さらに「ポートの追加」ボタンをクリックすると、「プリンタポート」画面になる。
「利用可能なポートの種類」ダイアログに「Redirected Port」が追加されているのを確かめる(正しくセットアップされていればこれがあります)。
続いて、「Redirected Port」を選び、「新しいポート」ボタンをクリックすると、Port Name として PRT1: が現れるので、「OK」ボタンをクリックする。
プリンタポート画面に戻るので、「閉じる」ボタンをクリックすると、ポート名として PRT1: が追加される。
(つづく)
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化, 仮想PSプリントサーバ
2008/06/02
マイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 仮想PSプリントサーバ on Windows 2000 sp4 (1)
仮想プリントサーバを、先ず Windows 2000 sp4上に構築して、同 Windows 上のアプリケーション(Adobe Illustrator等)からスタンドアローンとして印刷してみます。
A.MD-5500P用PPDファイルの保存
当ブログのマイクロドライプリンタのPSプリンタ化 〜 PPDファイル作成 (2) から、MD-5500P用PPDファイルの部分だけを適当なテキストエディタにコピー&ペーストし、ファイル名を「MDPusr-5500P.PPD」として適当なフォルダ(ここでは、C:\PPD)に保存しておく。
B.必要ファイルのダウンロード
それぞれのWebよりダウンロードし、保存しておく。
・PSプリンタドライバのインストーラ
Windows 2000/XP 用(ファイル名 : winstjpn.exe)
Adobe Universal PostScript Windows Driver Installer 1.0.6 - Japanese
・Ghostscript 8.62(日本語版)(ファイル名 : gs862w32full-gpl.zip )
・RedMon(ファイル名 : redmon17.zip)
C.MD-5500P用PSプリンタドライバのインストール
上記Bでダウンロードしたインストーラ winstjpn.exe を実行すると、下のように起動画面が出てインストールが始まる。
ようこそ:「次へ」をクリックする。
エンドユーザー使用許諾契約書:「同意する」をクリックする。
プリンタの接続方法:「コンピュータに直接接続」をチェックして、「次へ」をクリックする。
ローカルポートの設定:LPT1を取り合えず選び、「次へ」をクリックする。
プリンタのモデルの選択:「参照」をクリックし、PPDファイルをコピーしたフォルダ(ここではC:\PPD)を選ぶ。
プリンタの参照:C:\PPDフォルダ内の MDPusr MD-5500P を選んで、「OK」をクリックする。
プリンタのモデルの選択:MDPusr MD-5500P を選択したまま、「次へ」をクリックする。
共有:「共有する」をチェックし、共有名欄に「MDPusr-5500P」などと入力しておく。
(後ほど、クライアントから参照する時に、設定してもよい)
下のように警告が出るが、無視して「はい」をクリックする。(ハイフン " - " を取ればでないのだが)
プリンタ情報:下のようにして「次へ」をクリックする。
「次へ」をクリックする。
プリンタの設定:「いいえ」をチェックして「次へ」をクリックする。
「完了」をクリックする。
「完了」をクリックする。
コントロールパネルからプリンタを見ると、「MDPusr MD-5500P」 が登録されています。
(GhostscriptとRedMonのセットアップへ続く・・・)
ラベル: MD-5500, MD-5500P, MDプリンタのPS化, 仮想PSプリントサーバ