前回は、リファレンスのMacintosh(Power Mac G4, Mac OS 9.2.2) で稼動するプリンタを接続方法とセレクタ画面から示しました。
ここでは、そのプリンタ装置がSheepShaver Mac (Mac OS 9.0.4)においても同様に使用可能かどうかを検証してみます。
下図は、SheepShaver Mac の稼動環境をGUIで設定する SheepShaver GUI.app を起動したときに現れる SheepShaver Settings 画面です。設定のためのタグがいくつか用意されています。
SheepShaver Settings
タグからも分かるように、SheepShaver はUSBポートもSCSIポートも、残念ながらサポートしていません。また、Printer Port というものがあります(Windowsユーザには馴染みの COMx、LPTx があります)が、これはMac用のプリンタドライバのためのポートで、今時のプリンタには適合しないものと思います(下図)。
Serial タブ-Printer Port プルダウンリスト
したがって、プリンタ装置を含めて、USBやSCSIポートに接続の周辺機器(前回(1)~(3))は、使用できません。
つぎに、ネットワーク接続のプリンタ(前回(4))を検証してみます。
SheepShaver Settigs 画面の Network タブの Ethernet Interface をみると、プルダウンリストメニューに、「Basilisk II Router」、「Basilisk II Slirp」、「ローカルエリア接続」、「TAP-Win32」 の4種類が表示されています(それぞれについてのセットアップおよび詳細はリンク先等を参照ください)。
Network タブ Ethernet Interface プルダウンリスト
リファレンス Mac と互換性が高いのは「ローカル エリア接続」の場合です。この「ローカルエリア接続」を選んで「Start」ボタンをクリックし、SheepShaver Macを起動します(下図)。
(SheepShaver起動時に、ホストOSのWindowsが外部と通信状態にある場合(Webブラウザが起動中であったり、Windows Updateの自動更新や、アンチウイルスソフトの自動 Live Update機能等バックグラウンドで外部と通信中の場合)、SheepShaverは落ちてしまいます。こうなる場合は、Webブラウザを閉じたり、上記の自動更新やLiveUpdate機能を無効に設定しておけば、無事起動するでしょう。あるいは、ホストOSのあるWindows機からLANケーブルをあらかじめ抜いておいて、SheepShaverを起動させれば、より確実に起動できます(SheepShaver Mac が起動した後LANケーブルを再び接続します。)
リファレンス Mac の時と同じLAN接続状態(前回(4)参照)を再現すると、SheepShaver Mac のセレクタ画面は以下の4通りのようになりました。
* EPSON LP-8800C(オプションのEthernetカード内蔵) *
(SheepShaver Mac ,Mac OS 9.0.4)
プリンタドライバがEtherTalk(AppleTalk)に対応しています。
* EPSON PM-4000PX(パラレルポートへプリントサーバ(IO-DATA ETX-PS/P)外付け) *
(SheepShaver Mac ,Mac OS 9.0.4)
プリンタドライバがEtherTalk(AppleTalk)に対応しています。
* Postscriptプリンタ:
Micro Dry RIP2.5JインストールのPSプリントサーバー(Power Mac G4)とUSB接続のALPS MD-5500P
(サーバーとクライアント機(Power Mac G4)は共にLAN接続 *
(SheepShaver Mac ,Mac OS 9.0.4)
Micro Dry RIP2.5JがEtherTalk(AppleTalk)に対応しているためクライアント機と接続可能になります。
続いて、AFPプロトコルによるファイル共有では、
* AppleShare *
(SheepShaver Mac ,Mac OS 9.0.4)
上図のPowerMac G4 は、リファレンス Macのコンピュータ名であり、LAN接続されたSheepShaver Mac(コンピュータ名 T42-Sheep) のファイルサーバとなり、ファイル共有が可能となリます。
以上4つのセレクタ画面において、リファレンス Mac(通常のMac OS 9.2.2起動 Mac)とまったく同じであり、プリンタ出力に関しても、SheepShaver Mac にインストールされたアプリケーションから同様な印刷結果が得られますし、ファイル共有においても、全く同様に機能します。 (続 く)
2009/06/30
SheepShaverと実用性 (2) ~ SheepShaver Mac (Mac OS 9.0.4)
2009/06/25
SheepShaver とその実用性 (1) ~ Power Mac (Mac OS 9.2.2) と 稼動プリンタ ~
SheepShaverはオープンソースの Power Macintosh エミュレータです。Windows OSやMac OS X上で旧Mac OS(7.5.2~9.0.4まで)環境を提供します。
ここで、このエミュレートされたMac(以後SheepShaver Macとよびます)の実用性(主にプリンタ出力(勿論、マイクロドライプリンタも)出力)を検証してみたいと思います。検証の対象は、Windows xp professional sp3 上で動作する SheepShaver Mac(Mac OS 9.0.4)とします。下の図は、SheepShaver Macの起動画面のキャプチャです(SheepShaverに関する詳細とインストールの実際は他(リンク等)を参照下さい)。
SheepShaver Mac の起動画面(Mac OS 9.0.4)
(ホストOS : Windows xp professional sp3)
はじめに、リファレンスとして、実際のPower MacintoshであるPower Mac G4(Mac OS 9.2.2)とそれに接続して稼動可能なプリンタを取り上げます(Power Mac G4(Mac OS 9.2.2) に接続されるプリンタとセレクタ画面を、接続方法別に示します)。
(1)USBケーブルによる接続
* ALPS MD-5500P *
(Power Mac G4 ,Mac OS 9.2.2)
* EPSON PM-4000PX *
(Power Mac G4 ,Mac OS 9.2.2)
(2)USBパラレル変換ケーブル(ALPS MDT-USBC)による接続
* ALPS MD-1300 *
(Power Mac G4 ,Mac OS 9.2.2)
(3)SCSIケーブル接続
* ALPS MD-2010S *
(Power Mac G4+SCSIカード ,Mac OS 9.2.2)
(4)LAN接続
* EPSON LP-8800C(+オプションのEthernetカード)*
(Power Mac G4 ,Mac OS 9.2.2)
プリンタドライバがEtherTalk(AppleTalk)に対応しています。
* EPSON PM-4000PX(パラレルポートへプリントサーバ(IO-DATA ETX-PS/P)外付け) *
(Power Mac G4 ,Mac OS 9.2.2)
プリンタドライバがEtherTalk(AppleTalk)に対応しています。
* Postscriptプリンタ:
Micro Dry RIP2.5JインストールのPSプリントサーバー(Power Mac G4)とUSB接続のALPS MD-5500P
(サーバーとクライアント機(Power Mac G4)はLAN接続 *
(Power Mac G4 ,Mac OS 9.2.2)
Micro Dry RIP2.5JがEtherTalk(AppleTalk)に対応しています。
(5)その他 ファイル共有
* AppleShare *
(Power Mac G4 ,Mac OS 9.2.2)
上のセレクタ画面のT42-Sheep は、SheepShaver Mac(SheepShaver GUIにおいて、Networkを「ローカルエリア接続」に設定して、独自のIPアドレスを割り当てている)のコンピュータ名です。LAN接続されたリファレンスのPower Mac G4のファイルサーバとなって、ファイル共有が可能となっています。
一般に、AFPプロトコルによるファイル共有は、AppleTalkなしでも、「サーバのIPアドレス」をクリックしてファイルサーバとなるMacのIPアドレスを入れてやれば、ファイル共有が可能になります。
また、上図のようにAppleTalkを使用にすれば、ファイルサーバの名称が表示されます。このことは、後ほどSheepShaver Macからのファイル共有の場面において再度出てきます。
また、このファイル共有をWindows から活用することにもなります。
以上、リファレンスとしたPower Macintosh実機から稼動可能なプリンタをセレクタ画面から見てきました。
次は、SheepShaver Macを上のリファレンスと比較していきたいと思います。
ラベル: ALPS MDT-USBC, Mac OS 9, MD-1300, MD-2010S, MD-5500, MD-5500P, SheepShaver, USBパラレル変換ケーブル
2009/06/20
Windows 7(RC版) と マイクロドライプリンタ(続)
前回の続きです。MD-5500はALPSのWindows 2000/XP用プリンタドライバ Ver.2.3.2で、MD-1300は同 Ver.2.3.0 にて両方ともインストール可能でした。インストールはプリンタの追加ウイザードで行いました。
さて、印刷の方は、アプリケーションとしてAdobe Illustrator 9.0.2Jをインストールし、同ソフト内のサンプルファイルを読み込ませて、同ソフトにて行いました。MD-5500の方はUSBとプリントサーバー(IODATA ETX-PS/P)経由で共に結果は良好でした。MD-1300の方は、上記プリントサーバー経由では良好だが、USBパラレル変換ケーブルでは純正のALPS MDT-USBC(Windows 2000の時からサポート外)は完全にダメで、ELECOM UCP-5GTも動作不安定でした。
また、ここで、Print Spooler関係のエラーが出てプリントキューがおかしくなるという不安定要素がみられました。
この場合は「コントロールパネル」-「システムとセキュリティ」-「管理ツール」ー「サービス」とたどり、Printo Spoolerのプロパティを開くと、サービスの状態:停止 になっているので、サービスの状態:開始 ボタンをクリックして再度開始にしてやれば治ります。
仮想PSプリントサーバー関係については:
○ Ghostscript(8.54)は、XPの場合と同様にすんなりインストールできました。
○ MD-5500用のPSドライバは、汎用のAdobe PSドライバは提供されていないので、プリンタの追加ウイザードから、XP用に適当に作ったinfファイルを読み込ませることで、PPDファイルとWindows内蔵のPSドライバとで作成可能でした。
× RedMonについては、インストールでき、「新しいポートの追加」で「利用可能なポートの種類:」のリストにRedirected Port は見られるが、「新しいポート...」で肝心の PRT1: が追加できません(RedMonのWebでは、近日中のVistaとWindows 7への対応のコメントが一番上に掲載されていました)。
仮想PSプリントサーバー化については、Windows 7対応版待ちということになります(クライアントとしてはいけると思います)。